ADMC2021”DX推進のためのデータストラテジーとガバナンス”のご紹介

11月16日に、DAMAの日本支部主催でデータマネジメントのカンファレンス、Asian Data Management Conference 2021(以下、ADMC2021)が開催されます。
今回のブログでは、ADMC2021の概要を紹介し、データストラテジー(以下、データ戦略)とデータガバナンスがなぜDX推進に必要なのかについて、私見ですがまとめます。

Asian Data Management Conference 2021とは

ADMCは、データマネジメントの普及活動のために、2010年から毎年開催されており、今年で11回目を数えます。  
毎年、DAMA海外支部メンバによる先進事例やノウハウの共有と、国内企業の最新の取り組みを紹介しており、今年は次の内容で11月16日にオンラインで開催されます。

【テーマ】 最新事例に学ぶ DX推進のためのデータストラテジーとガバナンス  
【日時】  2021年 11月16日(火)10時~17時  
【会場】  ZOOMウェビナー  
【会費】  無料  
【講演】
1. 開催にあたってのご挨拶  
(DAMA日本支部会長 林幹高氏)
2. データガバナンスの成功要因 ―カナダにおける銀行事例― メタデータの収集、カタログ化とその普及  
(DAMAインターナショナル 理事兼Chief Privacy Officer Ron Klein氏)
3. スポンサー各社によるLightning Talk
4. 今取り組まないと置いていかれる!データコンプライアンスの最前線  
(SBIホールディングス株式会社 社長室 ビッグデータ担当次長 佐藤市雄氏)
5. データ戦略を構築する ―ビジネスゴールに沿った実践的なSTEP  
(Global Data Strategy Ltd,マネージングディレクター Donna Burbank氏)
6. DX推進を支えるデジタル事業基盤とデータガバナンス  
(株式会社日立物流 IT戦略本部副本部長兼デジタルビジネス推進部長 佐野直人氏)  
※1・4・6の国内講師による講演はリアルタイム配信ですが、2・3・5のLTと海外講師による講演は録画の配信になります。なお、2&5の海外講師講演には日本語字幕が付きます。

【申込】 https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_WkQkPHnXTGCJAlQekl24wA  
【その他詳細】https://www.dama-japan.org/ADMC2021.html

DX推進にデータガバナンスとデータ戦略が必要な理由

今はDXが徐々に浸透しつつある段階で、DXのための取り組みの多くが、PoCや単一の業務部門に閉じて実施されています。こうした小さな範囲では、データに関する問題・課題に目が届きやすく、関係者間で解決に向けて調整しやすいため、データガバナンスとデータ戦略の必要性はあまり認識されていません。

ただ、これからPoCが実装・運用され、複数の部門を横断したサービスとして継続することになると、データに関する問題・課題に誰が継続して携わるか役割を明確にし、どう対処するべきか方針とルールを決め、いつ実行するか計画を立てる必要がでてきます。  
このように役割とルールを決め、データが適切に管理されるようにコントロールし続ける活動が、データガバナンスです。
また、複数部門間で共通のデータ問題・課題に優先順位をつけて、いつどうやって解決するかの計画をまとめたものが、データ戦略です。
データガバナンスは、現在の統制活動がデータ戦略による計画の範囲と深さに対して過不足無いかを判断しつつ、組織全体のデータに関するリスクを軽減していきます。
データガバナンスとデータ戦略無しでデータに関わるDX事業を本格化させると、データに関する潜在的なリスクを増やし、問題が起こったときに即座に対応することができなくなるでしょう。

たとえばデータサイエンスのPoCでは、データサイエンティストがデータ品質向上のため、分析前に都度、データのクレンジングや集約などの処理を直接行います。
もしある分析のPoCが終了し、今後継続して複数部門のデータを対象に分析していくことになったら、データサイエンティストだけでデータの前処理を行うのは、負担になります(そもそもデータサイエンティストは前処理よりも分析作業に時間を割くべきですね)。
データガバナンスとして、サイエンティスト以外の誰がどうやって処理していくか、ルールを決める必要があります。もし、ビジネス側が将来分析範囲を拡大したいなら、いつまでにそのソースデータを収集できるか、事前に関係者と調整して準備しておく必要があります。早すぎず遅すぎず、適切な時期に収集開始できるように、データ戦略のなかでロードマップを描いておく必要があります。
また、DXのためのデータ利活用のため、データを収集・蓄積・連携する基盤や、部門横串の分析を実現するためのマスタデータマネジメント(MDM)基盤の構築が活発になっています。なかには、取り組み毎にこうした基盤の構築を進めてしまい、よく似た基盤が同じようなツールによって複数できてしまう企業も見受けられます。こうした基盤の乱立を防ぐためにも、中長期に渡るデータ戦略を整備しておくべきです。

まとめ

DXの試行期間が終わり、データが部門やサービスを横断して本格的に活用されていくこれからこそ、全社的なデータガバナンスとデータ戦略が必要になります。これら無しでは、データの問題・課題にすみやかに対応できず、ビジネスが要求するスピードに応えられない場面も増えてくるでしょう。
では、具体的にデータガバナンスでどんな役割とルールが必要なのか。
データ戦略では、どんな要素を考慮して計画としてまとめるのか。
具体的な中身については、本カンファレンスに参加して学んでいただけると幸いです。
そして、国内外の先進事例を参考にして、みなさんも自分の組織のデータガバナンスとデータ戦略に着手してみてください。  

【ADMC2021申込はこちらから】 https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_WkQkPHnXTGCJAlQekl24wA

DAMA日本支部 財務担当理事 髙橋章