座学でデータマネジメントを学ぶには

データ利活用を推進するために、データマネジメントやデータガバナンスに関心を持つ組織が増えています。それとともに、組織内にデータマネジメントの知見が無いため、まずは一般的な教育を受けるところからはじめたい、という方も増えてきています。
効率的に自社に必要な知識を学び、同時に組織内のデータマネジメントを実践するには、外部の専門家に入ってもらい、プロジェクト化するのが手っ取り早いでしょう。今後組織のデータマネジメントの中核を担うメンバにもプロジェクトに参加してもらい、OJTで手を動かしながら学んでいくやり方です。
ただ組織が必要とする特定のデータマネジメントの専門家を見つけられない場合、独力で座学で学んでいくことも必要です。

座学でデータマネジメントを学ぶ3つのステップ

私はデータマネジメントについてわからないことがあると、次のようなステップで調べ、学んでいます。

その1 DMBOKで基本に立ち返る

なにかわからないことがあれば、まずはDMBOKを開いています。
データマネジメント知識体系ガイド 第二版
https://www.nikkeibp.co.jp/atclpubmkt/book/18/270160/

翻訳メンバだったこともあり、英語原本も日本語版ももうすでに何度となく読んでいます。ですが新たに経験した現場の成果物や組織体制を踏まえて読み返すたびに、「この成果物や考え方は別の場面にも適用できるな」などと、新しい気づきが得られます。
データマネジメント未経験者の方も、DMBOKを何度も読み返せば、全般的な知識を学べるはずです。
ただし、DMBOKは日本語版の本文だけでもおよそ650ページあり、また具体的な成果物やルールの記述が少ないため、ひとりで最初から最後まで通して読み切るには、なかなか歯ごたえがあります。
おそらく英語圏でも同じような悩みがあるのでしょう。DMBOKの出版責任者の方が、DMBOKの概説書を英語で出版されています。英語が堪能な方は、まずはこちらを読み込み、より深く学ぶときにDMBOK本体にあたられるといいかもしれません。
Navigating the Labyrinth: An Executive Guide to Data Management
https://technicspub.com/dmbok/

その2 WEB教育プラットフォームで最新情報を押さえる

現在のDMBOK第2版の英語原本が出版されてから、すでに3年が経過しています。データマネジメントも、新しい技法や考え方が出てきています。
私はこうした情報を、WEBの教育プラットフォームのコースや解説記事を通じて仕入れています。特に、毎年DAMA-Internationalと国際的なデータマネジメントカンファレンスEDW(Enterprise Data World)を開催しているDataversityのサイトは頻繁に巡回しています。
Dataversity
https://www.dataversity.net/

有料のトレーニングコースもありますが、その時々のデータマネジメントやガバナンスのトレンドを押さえるのであれば、Webinarをチェックすれば十分でしょう。(https://www.dataversity.net/category/education/webinars/upcoming-webinars/
ここでWebinarを開催しているDMBOKの著者もいます。彼らのWebinarではDMBOKには載せていなかった事例や成果物イメージを確認できることもあるので、おすすめです。

その3 SNSで疑問を直接専門家にぶつける

書籍やWebinarの疑問は、著者または講演者本人にSNSを通じて質問します。海外、特にアメリカの著名なデータマネジメント専門家の多くが、LinkedinかTwitterのアカウントを持っていて、直接コンタクトを取ることができます。
またLinkedinではグループ機能で専門家を中心にディスカッションが行われているので、参加してみるとおもしろいでしょう。

日本語で学ぶならまずはDAMA日本支部へ

上記以外に日常的に参照している書籍やサイトもありますが、だいたいなにか知りたいことがあると、この3ステップのどこかで解消されます。
また書籍代以外は基本無料なので、金銭コストを避けたい学生や若手の方にもおすすめです。ご参考ください。
ただ、その2もその3もそれなりの英語力が必要になります。
やはり語学のハードルは高い、日本語で幅広く学びたい、という方はDAMA日本支部にご参加ください。
テーマ別の分科会だけでなく、最近では2~3ヵ月に一度DMBOKの概説セミナも実施しています。また国内の専門家が所属しているので、分科会/セミナの場で直接質問をぶつけてみてはいかがでしょうか?

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