第14分科会(若手データマネジメント勉強会)の紹介

はじめに

私はリーダーとして第14分科会の企画・運営を行っています。DAMA日本支部には様々な分科会がありますが、第14分科会は2021年度から始めた、比較的新しい分科会です。より多くの方に私達の活動を知っていただきたく、この場をお借りして第14分科会の概要や活動内容、分科会の特徴などをご紹介いたします。

第14分科会ではデータマネジメントの基礎を勉強

第14分科会(通称:若手データマネジメント勉強会)は、「データマネジメントって何?メタデータってどんなデータ?データにも品質があるの?」など、データマネジメントの基礎的な内容について、参加者同士で発表や意見交換を行う分科会です。テーマに沿って発表者が事前に資料を準備して、当日発表します。初学者や若手だけでは、理解が及ばないところもあるため、毎回有識者にも参加いただき、サポートやコメントを頂戴しています。開催要領は以下の通りです。

  • 設立年月:2021年4月
  • 開催頻度:月に1回
  • 時間  :毎回90分程度
  • 場所  :オンライン
  • 内容  :データマネジメントの基礎的な内容、発表テーマは毎回異なる
  • 登録人数:37名 (2022年7月現在)

分科会のタイトルに「若手」と書いてありますが、年齢制限はありません。DAMA日本支部の会員なら誰でも参加可能です。データマネジメントに興味・関心のある方が増えているようで、登録人数は発足当初の6倍にもなりました(下図参照)。データマネジメントについて基礎から勉強したいという方は是非ご参加ください。

DAMA日本支部 第14分科会の登録人数の推移

活動内容

2022年度の活動指針は、「データマネジメントの各テーマについて、基礎的な知識を学び、実際の活用事例を知る」です。テーマは、年度の初めに参加者からアンケートを取って決めます。人によって興味・関心のあるテーマは異なりますが、「データマネジメント全体を浅く広く勉強したい」という点が共通していたため、「知識」と「事例」を基本セットとして、1年で様々なテーマを扱います。具体的な活動内容は下表の通りです。毎回独立した内容なので、途中から参加した方も容易にキャッチアップ可能です。自分の興味がある分野だけ参加するのもOKです。

2022年度スケジュール

2023年度(来年度)も、参加者からのアンケート結果を元にテーマを決める予定です。「こんな勉強したい、こんなテーマを扱ってほしい」などのご意見お待ちしております。

分科会の特徴

1. 発表は立候補制

昨年度は、参加者全員が事前に資料を作成し、当日に発表していました。しかし、喜ばしいことに参加人数がどんどん増え、全員が発表するスタイルは時間的に厳しくなってきました。そこで今年度からは、毎回最後に次回の発表者を募る立候補制に変更しています。毎回2~4名の方が手を挙げてくださり、大変助かっています。15分程度の資料とはいえ、新しい分野について資料を作成するのは大変です。それでも発表した皆さんは「自分で資料を作って説明することで、一番知識が身に付く」とおっしゃっています。題材は、DMBOKはもちろん、他の書籍やweb記事、参加者の知見や経験、日ごろ抱える疑問など、バラエティに富んでいます。毎回、興味深いお話を分かりやすく解説してくださるので、とても勉強になります。

2. 情報共有はslackで

第14分科会では情報共有のツールとしてSlackを使用しています。Slackはメンバーやグループ内でチャットやファイル共有などができる、ビジネス向けのオンラインチャットツールです。発表資料やデータマネジメント関連記事の共有、メンバーの自己紹介、イベントの告知、勉強会終了後のQAなど、様々な用途に利用しています。 発表資料へのアクセスは各回の参加者のみに制限していますが、その他データマネジメント関連記事や勉強会以外の資料は分科会登録者全員に公開しています。新規加入者も過去スレッドに遡ることが可能なので、入会された方は是非ご覧ください。

データマネジメントを基礎から勉強したい人は第14分科会へ!

  • データマネジメントについて基礎から学びたい
  • データマネジメントに興味・関心はあるもののどこから手をつけたら良いか分からない
  • DMBOKを読もうと思っているが、内容が難しく、量も多いため、なかなか前に進めない
  • 企業や組織を横断して、データマネジメント初学者と繋がりたい

当てはまる方は、ぜひDAMA日本支部・第14分科会にお越しください。お待ちしております。

[投稿者]
鶴田 一晃 
Metafindコンサルティング株式会社 コンサルタント
大学卒業後、商社のSCM担当として、日本→アメリカ→タイ→メキシコと複数拠点で勤務。その後、データマネジメントやデータガバナンスの専門コンサルティング会社であるMetafindコンサルティング株式会社へ転職。現在、DWHやMDMのデータ構造設計、データマネジメントやデータガバナンス導入などのコンサルティングに従事。DAMA第14分科会のリーダー。CDMP Associate保持。

データマネジメントの認知・普及について

みなさんのブログでは様々な専門的な事が書かれてあり、大変有意義であり、参考になり、ブログを読んで頂いている方々も、日々、会社・業務にて、データマネジメントの活動を実施されている事と思います。 そういった方々には、あまり参考となる内容ではありませんが、そもそもデータマネジメントがどこまで世間で認知されているか、普及されているか、あらためて考えたい、調べたいと思いました。

その理由は、データマネジメントに少しでも関わりがある人間として、もっとデータマネジメントの重要性を世間で理解され、着目され、データマネジメント活動を担う方々の認知度や地位が向上できたらうれしいと思っています。

今は、「IT」という用語が使われていますが、以前は、システムも「情報システム」、IT部門も「情報システム部門」と呼ばれ、「情報」を取り扱っているシステム、部門となりますが、プログラム、業務アプリケーション、システムの方が着目され、「情報」や基となる「データ」のマネジメントやガバナンス、それらの活動を担う方々がより認知され、価値がもっと向上するべきと思っています。

繰り返しですが、「情報」や「データ」を取り扱うシステムを、企画、開発、提供、運用しているのです。

また、ビッグデータ、AI、DXには、「情報」や「データ」がより重要な事は、周知の事実だと思います。

以前から、システム開発において「データ中心」、「DOA(Data Oriented Approach)データ中心アプローチ」という言葉、考え方もありました。今も当然、重要で、必要になりますが、なかなかスタンダードな考え方になっていなく、浸透していないようにも思われ、比較的若い世代の方々は、ご存じない方もいるのではないでしょうか。

もしかしたらシステム開発で、データモデリングやER図を描いていなかったり、DA(データアーキテト)がいないというプロジェクト、現場、会社もあるのではないでしょうか。
※そんな事はない! と怒られるかもしれませんが・・・・。

ただ、みなさんご存じの「DMBOK(データマネジメント知識体系ガイド)」があり、DAMA(データマネジメント協会)がありますね。

ただ、もっともっと認知・普及できればと思っています。

さて、前置きが長くなりましたが、まずは、 認知・普及度合いについて、ネット検索してみました。
まずは一番簡単で調べやすい、出版物(書籍)です。これは電子書籍も含みます。

該当業務をする人がいて、調べたい人、参考にしたい人、活用したい人がいて、ニーズがあるから、またビジネス上、発信したい人がいるから、みなさん出版されているのではないでしょうか。ある部分では普及度合いを表しているものと思います。

ある書籍販売サイトの検索結果になります。和書になります。

「DMBOK」で検索すると・・・。

  • データマネジメント知識体系ガイド(DMBOK) 第一版、第二版:2冊
  • データマネジメントと題した書籍:9冊
  • 情報管理、データ管理と題した書籍:2冊
  • データ経営と題した書籍:2冊

上記の中で、DAMA日本支部以外の団体が発行しているものが4冊。
上記は、単行本は6冊、電子書籍は9冊でした。

次に「データマネジメント」で検索すると・・・。

「DMBOK」でヒットした書籍を除くと、プラス、

  • データマネジメントと題した書籍:1冊
  • データドリブン経営、組織に関するもの:2冊
  • 医療系のデータマネジメントに関するもの:2冊

でした。

データマネジメントという用語を題していなく、データ分析、データモデル、データ活用・利活用、データサイエンス、情報セキュリティ、DXといった題名がついた書籍は除いています。

これは多いのでしょうか、少ないのでしょうか。
みなさんの印象はいかがでしょうか。

比較対象にしてはいけないかもしれませんが、「プロジェクトマネジメント」だとどうなるか、検索してみました。

プロジェクトマネジメントも「PMBOK(Project Management Body of Knowledge)プロジェクトマネジメント知識体系ガイド」があり、PMI(プロジェクトマネジメント協会)があります。

「PMBOK」で検索すると・・・。

プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOK)以外は、

  • PMBOKと題した書籍:34冊
  • プロジェクトマネジメントと題した書籍:35冊
  • PMP®(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル) 等、資格・試験に関する書籍:23冊
  • プロジェクトマネージャー、リーダーに関する書籍:9冊
  • プロジェクトマネジメントツールに関する書籍:3冊
  • PMO(Project Management Office)に関する書籍:1冊

となりました。

追加で「データマネジメント」のように、「プロジェクトマネジメント」で検索すると、より多くの検索結果が出ましたが、かなり多くなるため、ここでは割愛させていただきます。

また、PMBOKは第7版、DMBOKは第2版といった違いもありますね。

特徴としては、

  • 「PMBOK」と題した書籍が多くありました。
    ※中には、PMBOKでは教えない、PMBOKでは書いていない、といった事を題した書籍もありました。(笑)
  • PMP®(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル) といった、プロジェクトマネジメントに関する資格に関する書籍も多くあります。
  • マネジメントを実行するプロジェクトマネージャー、リーダーの書籍もありました。
  • ポイント図解、マンガでわかる、といった書籍もいくつかありますね。

データマネジメントも、国際資格のCDMP(Certified Data Management Professionals)がありますが、和書がヒットしませんでした。

この結果が全てではなく、比較するつもりもなく、出版物、和書で、普及の度合いを全て語るものではありませんが、これらは何か普及、定着化するための糸口や、きっかけがみつからないかなと思い調べました。

何か見えてきて、気付きがあり、今後の普及等の活動に繋げていけるとよいと思っています。

余談になりますが、「社長が知りたいIT 50の本当」 出版社 ‏ : ‎ 日経BP には、情報(データ)マネジメントの章があり、DMBOKも少し触れられています。このような経営層向けの書籍に、データマネジメントの必要性、価値が書かれていると、より認知度が高くなると思います。

今回はここまでです。また機会があれば、別のキーワード、切り口で調べたいと思います。
(例.概要紹介・発信、サービス、事例、広告、セミナー、動画などなど)

本ブログを読んで頂いた方ご自身でも簡単に調べられると思いますので、ご興味・お時間ありましたら、一度ネット検索して頂ければうれしいです。

以上